足長アメンボ
来年、ある所に足の長いアメンボがいました。
そのアメンボは足の長さを生かして雑誌のモデルやインフルエンサーとして活躍したかったのですが、「アメンボ」である事が理由でその夢は叶いませんでした。
足の長いアメンボはそんな世界や自分自身に腹をすかせました。
何を食べよう?
足の長アメンボは気づきました。
「自分は何を食べたいのかわからない」
雑草?小さな昆虫?
これまで自分が何を食べてこの足長を作り上げたのかわからなくなりました。
どんどん分からなくなります、
次第に、この足は手かもしれないと思い始めました。
だから雑誌のモデルにならなかったのか!
自分は足長ではなく手長だった。
これまでの謎が全て解けたような感覚になりました。
心はスッキリしたようでした。
手が長すぎて、胸に手を当てる事はできないけど。
鼓動が鎮まっていくのがハッキリわかりました。
そして手長のアメンボはその小さな水溜りから飛び立ちました。